社長の本棚から

山中です。昨年、このブログでも、経済産業省から発表されたデザイン経営宣言という報告書についてはご紹介しています。http://xenodesign.org/?p=502

この提言の画期的なところは、デザイン技術ではなく、デザイン経営だという点にあります。従来の提言ではデザイナーを使って製品開発を進めようが中心でしたが、このデザイン経営宣言では企業の経営にデザインが不可欠だと踏み込んでいます。永くデザインに携わってきて感じるのは、多くの企業がデザインの価値、有用性についてあまりに関心がないことです。経済産業省からこのような報告書がだされたり、経済誌などでデザイン経営が取り上げられるなどを見聞きすると、やっと日本もデザインに対して理解が始まったのだと実感してきました。

しかし、世界はさらに進んでいます。山口周氏の著書「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?」にこう紹介されています。「英国のファイナンシャルタイムズが、いわゆる伝統的なビジネススクールに出願数が減少傾向にある一方で、アートスクールや美術系大学によるエグゼクティブトレーニングに多くのグローバル企業が幹部を送り込んでいる、と報じている。」この現象は、MBAで学ぶような分析的なスキルより、複雑で不安定な世界では美術系大学で学ぶような創造的なスキルのほうに関心が高まっていることによります。つまり、経営を数値で計測することには限界があるからです。なるほど、すでに世界はアートやデザインの価値を、ここまで深く理解しているのです。このことは、永くデザインに関わってきた者にとって極めて納得がいきます。デザイナーは時代の風を感性で感じ取ってアイディアを組み立てます。これは論理的アプローチでは難しいでしょう。デザイナーは、数値では表せない価値をスケッチや言語化して見えるようにするのは得意とするところです。ビジネスでのデザインの価値が認められ始めたのは嬉しい限りです。さて、ゼノデザインがどうやってお役に立てられるでしょうか。今年の課題ですね。

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