和巧絶佳展

工芸愛好家の山中です。9月22日までパナソニック美術館で開催されていた、令和時代の超工芸「和巧絶佳展:わこうぜっか」を見てきました。

https://panasonic.co.jp/ls/museum/exhibition/20/200718/index.html

ある程度は知っていたのですが、改めて実物を見るとその超絶技巧にただただ圧倒されました。ホント凄い人がいるもんです。その中で、私が好きな作家を4名紹介します。

1人目は、画家の深堀隆介さん。木桶の中で、生きているように見える金魚の作品で知られています。間近に見ても、その泳ぐ金魚のリアルさに圧倒されます。透明アクリルを、何層にも流し込みながら少しづつ絵を重ねます。この気の遠くなる技法にたどり着いたことが凄い!もう一つ、重要な点があります。普通の絵画の作品には必ず「額」がつきものです。しかし、深堀作品の額は木桶あるいは水槽が額の役目をしています。額を排除することで既存の絵画とは異なる、新しい表現にしています。

2人目が陶芸作家の桑田拓郎さん。伝統的な茶碗のカタチは借りているものの、まったく別の表現と言っていいです。ストリートダンスに熱中していた大学生のころ、当時のオーソドックスな陶器をダンス仲間に理解してもらえなかったことをきっかけに、このスタイルが完成されたそうです。そりゃそうだ、茶湯なんて、いくら伝統だと言っても、しょせん老人向け工芸です。若者には分からないのは普通です。陶芸の伝統的技法、梅花皮(かいらぎ)をポップアートとマッシュアップしてこのカタチに至っています。実際に見ると、ゲテモノ的印象は吹き飛びます。しっかり美術品として一級の存在感があります。

3人目は九谷の陶芸作家、見附正康さん。和巧絶佳展のポスターにもなっているように、注目の作家です。この方は美大出身ではなく、伝統的な九谷の作家の元で修行された陶芸作家です。会場に流れていた映像の中で、修行中には鳳凰や花なども描いていたが、自分の模様が描きたかったと語っていました。とにかく図柄がモダンです。純和風とも異なる無国籍テーストの図柄です。映像の中で模様の下絵はなく、描き進めているうちにどんどん変わると語ってました。しかしこれは嘘でしょう。絶対イラレで描いたスケッチがあるはずです。

最後に金工作家の高橋賢悟さん。これも驚きの超絶技巧です。技法については会場のパネルを見ていただいたほうは早いでしょう。明治時代からある「蝋型鋳金」という技法ということです。明治時代からこの技法があったことについても驚きです。名工・鈴木長吉の作品も数多くwebで見ることができます。

http://www.emuseum.jp/detail/100438/000/000?mode=detail&d_lang=ja&s…

造形テーマは、とてもモダンアート的。軽快にスカルと花をテーマにしてしまう感覚はとてもファッショナブル。たとえば、ジュエリーショップのウインドウディスプレイにもとても映えそうでした。

そんなに広くない会場にぎっしりと、現代工芸作家の粋が詰め込まれていました。ホント堪能しました、お腹いっぱいです。

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