ヒトはスマートフォンを克服できるか?アンデシュ・ハンセン著 「スマホ脳」を読んで

iPhoneを買い替えるかどうか迷っているヤマナカです。次は12miniかなァと思いつつ、SEをいまだ使っています。私は初代のiPhoneから使っているのでスマホ歴は長いですよ。でも、SNSについてはいまだに初心者の域は出ていません。しかし、若い世代にとって、SNSを使いこなすことは呼吸をすることと変わりなくなってきています。そのような時代の背景に、スマホ依存社会に警鐘を鳴らすように発表されたアンデシュ・ハンセン著 「スマホ脳」を読んでみたので、紹介してみましょう。

著者は、導入部にスエーデンの近年のうつ病患者の増加は、スマートフォンの普及にあるのでは無いかと推測しています。スエーデンに限らず、スマートフォンに長時間支配されているのは日本のみならず世界中変わりはありません。とすれば世界は同じ病に取り憑かれてしまったようです。その原因が、ヒトの脳の成り立ちに起因しているらしいのです。ヒトの脳は長い進化の過程の中で、生命に関わる重要な情報に対し敏感に反応するようになっています。例えば、栄養価の高い果実についての情報に敏感になることは、命を守るために必要な反応です。つまり、脳は有益な情報を見逃さないようにする仕組みになっているのです。狩猟や採集に行っていた習慣である「いるかも知れない」と言う感情が湧き上がるのを抑えられないのです。

現代に置き換えれば、イイねボタンだと著者は指摘しています。自分の投稿について、イイねの評価が常に気になってしょうがない。少なければ不安になってしまいす。この不安の原点は人類が誕生してから抱いている生存に対しての不安です。まさか、イイねで生存に関わる一大事であるはずがないのですが、脳は不安イコール生存の危機と捉えてしまう仕組みであると、著者は言っています。これは、SNSに限ったことではなく、スマートフォンにはあらゆる不安を誘う仕組みが出来上がっています。そして巧妙に広告のシステムと連動させています。ネットニュースの記事から巧妙にアプリをダウンロードさせるように誘導させられた経験は誰でもあるはずです。このような仕組みは特に悪意のある行為ではなく、インターネットを使うビジネスの基本とも言えるものです。いち早く有益な(栄養価の高い)情報を得ようとするヒトの本能にうまく働きかけた仕組みだと言えます。著者はこれを、「脳がハックされている」と表現しています。最早、これを誰も止められないのではないでしょう。これからの人類はこれを克服しなくてはいけないのでしょか。

でも少し、改善される傾向があるようです。すでにインスタではいいねの数が表示されいません。Twitterの創業者もいいねボタンについて改善したいと考えているようです。

デザインは新しい価値を発見・創造することが使命です。このことは、常日頃学生たちに伝えていることでもあります。新しい価値は、必ず人々の暮らしを豊かにするための手段であったはずです。人々を不安にさせ、ストレスを高めるために生み出されたわけではありません。しかし、人類は時にしてそれが不幸を生み出してしまう場合もあることは学んで来たはずです。それでもやっちまうんですね、間違いを。考えたくないですが、より良く生きること自体が間違いなのかも知れません。より悪いデザインの選択、デザインは難しい局面に立っています。

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